TED でメディア・コミュニケーションの理解を深める:拡張キット(暫定版)

まずはここを見てください(東京経済大学・コミ部ログ)。
http://comtku.blogspot.jp/2014/07/ted.html?spref=tw

これはTEDを利用してメディア論・コミュニケーション論を検討するために私が作ったプレイリスト(+解説)です。TEDなので(また私の趣味・志向もあって)どうしてもネット系に偏ってしまいます。イーライ・パリザー講演などには、対比的にマスコミ・ジャーナリズムの意味を考えるような内容もあるのですが。内容は以下の5ジャンルにまとめていました。

(1) コミュニケーションの変化がもたらす力とは?
(2) デジタルでつながることが作り出す問題点とは?
(3) オンライン時代の人間関係のあり方とは?
(4) 「つながり」の持つ意味
(5) オンライン化された社会で起こる変化

上記リンクでは見通しをよくするために、ある程度紹介プレゼンテーションを限定しました。具体的には5年前より古いもの、日本語字幕のないものなどは落としています。この投稿の目的は、落とした講演を補完することです。そのためにも以下のように新しく3ジャンルを立てています。

(6) ネットサービスの特徴とその背景
(7) オンライン経済の特質
(8) ネットと政治のあり方

せっかくですので、各ジャンルの補足コメントなども記します。繰り返しますが、このリストの拡張キットです。さらなる追加のアイディアなどあれば、お知らせいただけると助かります。


(1+) コミュニケーションの変化がもたらす力とは?
(ちょっと数が膨らみすぎているきらいがありますが)ここにはアイディアの創発メカニズムについての(都市論、脳科学、人類史などから発想をえた)興味深い講演もいくつか混ぜています。コミュニケーション技術やコンピューティングの発展が何をもたらすのか、について考える上でヒントになると思われたことがその理由です。
Ray Kurzweil: Get ready for hybrid thinking (2014)
http://www.ted.com/talks/ray_kurzweil_get_ready_for_hybrid_thinking
マット・リドリー「アイディアがセックスするとき 」(2010)
http://www.ted.com/talks/matt_ridley_when_ideas_have_sex?language=ja 
スティーブン ジョンソン「良いアイデアはどこで生まれる?」(2010)
http://www.ted.com/talks/steven_johnson_where_good_ideas_come_from?language=ja
The anthropology of mobile phones (2007)
http://www.ted.com/talks/jan_chipchase_on_our_mobile_phones
ケビン・ケリーが語る「ウェブのこれからの5000日」(2007)
http://www.ted.com/talks/kevin_kelly_on_the_next_5_000_days_of_the_web?language=ja
クレイ・シャーキー「組織というシステムと協力というシステム」(2005)
http://www.ted.com/talks/clay_shirky_on_institutions_versus_collaboration?language=ja
ハワード・ラインゴールド「コラボレーション」 (2005)
http://www.ted.com/talks/howard_rheingold_on_collaboration?language=ja
James Surowiecki: The power and the danger of online crowds (2005)
http://www.ted.com/talks/james_surowiecki_on_the_turning_point_for_social_media
Steven Johnson: The Web as a city (2003)
http://www.ted.com/talks/steven_johnson_on_the_web_as_a_city


(2+) デジタルでつながることが作り出す問題点とは?
「見えにくい(しかも、コントロールの難しい)仕組み」が統御することの意味、という観点から追加しました。元々の(2)もそういったニュアンスが含まれています。
ケヴィン・スラヴィン 「アルゴリズムが形作る世界」(2011)
http://www.ted.com/talks/kevin_slavin_how_algorithms_shape_our_world?language=ja


(5+) オンライン化された社会で起こる変化
オンラインで起こる新しい社会現象を事例的に取り上げているものからヒントになるかも知れないものをこのジャンルに入れています。
エイミー・ウェブ「私がオンラインデートを攻略した方法」(2013)
http://www.ted.com/talks/amy_webb_how_i_hacked_online_dating?language=ja

(6) ネットサービスの特徴とその背景
ここには、Google(map), Reddit, YouTube, Twitter, 4chan, WikiLeaksなどのさまざまなサービス/サイトの提供者側の講演から、その意味を探るものを集めています。
セルゲイ・ブリンとラリー・ペイジ:Googleについて (2004)
http://www.ted.com/talks/sergey_brin_and_larry_page_on_google?language=ja
ラリテス・カトラガダ:経済発展のため、災害と戦うための地図作成 (2009)
http://www.ted.com/talks/lalitesh_katragadda_making_maps_to_fight_disaster_build_economies?language=ja
アレクシス・オハニアン:ソーシャル・メディアで注目を集める方法 (2009)
http://www.ted.com/talks/alexis_ohanian_how_to_make_a_splash_in_social_media?language=ja
ケヴィン・アロッカ 「バイラルビデオが生まれるメカニズム」(2011)
http://www.ted.com/talks/kevin_allocca_why_videos_go_viral?language=ja
エヴァン・ウィリアムズ 「Twitterユーザーの声に耳を傾ける」(2009)
http://www.ted.com/talks/evan_williams_on_listening_to_twitter_users?language=ja
クリストファー・「ムート」・プール「オンラインにおける匿名性について」 (2010)
http://www.ted.com/talks/christopher_m00t_poole_the_case_for_anonymity_online?language=ja
ジュリアン・アサンジ 「なぜ世界にWikiLeaksが必要なのか」(2010)
http://www.ted.com/talks/julian_assange_why_the_world_needs_wikileaks?language=ja


(7) オンライン経済の特質
(1)との明確な区別は難しい側面もありますが、イノベーションやマーケティングについて考える上で興味深いものをこちらにまとめました。
セス・ゴーディン:我々がリードする部族 (2009)
http://www.ted.com/talks/seth_godin_on_the_tribes_we_lead?language=ja
ヨハイ・ベンクラーの新しいオープンソース経済について (2005)
http://www.ted.com/talks/yochai_benkler_on_the_new_open_source_economics?language=ja
WIRED誌のクリス・アンダーソンがテクノロジーのロングテールについて語る (2004)
http://www.ted.com/talks/chris_anderson_of_wired_on_tech_s_long_tail?language=ja


(8) ネットと政治のあり方
政治や社会運動に直接つながっているものはこちらです。
ベス・ノヴェック:もっとオープンソースの政府を (2012)
http://www.ted.com/talks/beth_noveck_demand_a_more_open_source_government?language=ja
ゴードン・ブラウン: ウェブを繋いで地球に善を! (2009)
https://www.ted.com/talks/gordon_brown?language=ja
エリック・ハースマンの「テキストメッセージによる危機の報告」(2009)
http://www.ted.com/talks/erik_hersman_on_reporting_crisis_via_texting?language=ja

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